成虫と幼虫の対応をつけるには,複数個体を飼育して確かめるのが一番だ.しかし,生かしたまま持ち帰えることが難しい種や,飼育が難しい種や,飼育が簡単でも成虫になるチャンスが年に一度しかない種も多い.また,飼育すると幼虫や蛹は脱皮しか残らず,個体数が少ないと標本を残すのも難しい.このようなケースではDNAを比べるのは有効な手段で,もちろんうまく行かない場合(交雑している種を見分ける必要があるケースなど)もあるが,野外での成虫・幼虫からすでに目星がついている場合でも異なるアプローチで確認することが可能になる.ただし,幼虫の形態的特徴をちゃんと押さえた上でやらないと,とんでもない間違いを犯す可能性もあるので,気をつけないといけない.証拠となる標本をきっちり残すことも重要だ.