第四紀昆虫学のパイオニアRussell Coopeが2011年に亡くなっていたことを今頃知る.ご冥福をお祈りいたします.
http://www.rhul.ac.uk/geography/news/newsarticles/professorrussellcoope1930-2011.aspx
彼の大きな業績としては,化石種として記載されることの多かった第四紀の甲虫のほとんどが現生種であることを示したこと,方法論を発展させたこと,たくさんの後継者を育てたことである.彼が書いた総説は,当時,日本で始まった第四紀の昆虫化石の研究にも重要な指針を示した.たとえばこれ:
http://webh01.ua.ac.be/funmorph/raoul/macroevolutie/Coope1979.pdf
日本の研究者がCoopeやその弟子達と積極的にコンタクトをとるようになったのはインターネットの時代になってからである.そのため,1970年代から1990年代前半の日本の第四紀昆虫学は独自の発展を遂げることになる.ネクイハムシの研究もその一つだ.私もその流れの末端にいる.