(Diptera)(海岸性昆虫)

打ち上げ海藻に集まる昆虫の主役はやっぱり双翅目だと思う.あの幼虫(ウジ)の多さは,ちょっと苦手でもある.海藻に集まる甲虫の多くは捕食性でウジは重要な餌資源である(ほかも食べているとは思うが).従って,彼らを抜きに(少なくとも海藻に集まる)海岸性甲虫を語ることはできない.海藻に集まるヒゲブトハネカクシの中には,幼虫が囲蛹の内部に寄生し捕食する者がいるという.実際に日本で確認したひとはいるのだろうかと思っていたところ,昨年,Yamazaki (2008)がノトツマグロイソバエFucellia apicalis にヒゲブトハネカクシ2種Aleochara fucicola と A. trisulcataが寄生していることを確認して報告した.
Yamazaki, K. (2008) Aleochara fucicola and A. trisulcata (Coleoptera, Sthaphylinidae) as parasitoids of a kelp fly, Fucellia apicalis (Diptera, Anthomyiidae). Elytra, 36(1): 151-152.
ノトツマグロイソバエについては,澤田(1995)や加納・篠永(2003)に記述がある.雄の前翅端に丸い褐色斑があることが特徴とのこと.今度のシーズンにはぜひ探してみたい.

ところで、海藻が打ち上がってから消えるまでの間に繰り広げられる虫たちの生活を詳しく観察した報告はあるのだろうか。定量的に調べるのは結構むずかしいように思う。でも面白そう。だれかやりませんか?(もうしている?)