原稿集めの時期になってきた.論文を書き慣れている人には当たり前すぎて疑問にも思わないことだが,投稿された共著論文の原稿が本当に共著なのか確認したい時がある.実際には論文書きに不慣れな人や論文を書くための教育を受けていない人も少なからずいる.共著という形になっていながら,著者間の原稿の確認が十分(場合によってはまったく?)行われていないというケースは,著者の共著に対する認識の問題であり,書いた者の責任である.しかし,ひとたび印刷されえてしまえばトラブルになることだってあるだろう.想定されるケースとしては研究に何らかの形で関わった人によかれと思って勝手に共著者に加える場合が考えられる.これは絶対にしてはいけないことで,必ず原稿をみてもらった上で,共著者になることについて明確な同意をもらわなくてはいけない.みてもらった後で書き換える場合にも確認してもらうことが原則だ.本人にとっては小さな修正でも,共著者にとっては重大な書き換えの場合もある.