初心者がキジラミを調べるには?

その1 文献を集める.....Miyatake, Matsumoto, Inoueの記載論文を入手する.ネットでPDFが入手できる文献もある.形態だけでなく,生活史やホストの情報が重要.虫えい図鑑もチェック!また,調査地域の植物相について調べることも大切だ.
その2 計画的に採集.....新成虫のでる時期とホストを確認して採集を行う.卵越冬や幼虫越冬の種は成虫の出る時期が限られるので,ゴールを事前に探しておいて羽化の時期に備える.
その3 ホストから採集.....ホストが分かれば該当する種を絞ることができる.成虫はホストを離れたあと,いろいろな樹木につくものもいるので注意.幼虫や羽化殻があるとか,ゴールがあるとか,テネラルがいるなどが目安.
その4 顕微鏡で観察.....翅脈の形状,額錐(頭部先端の突起)の長さ,触角の長さと毛の生え具合(先端の2本の毛も重要),産卵管の長さと反り具合(グミにつく種の産卵管は反る)をみる.前翅に模様があれば,有力な手がかりになる.体色は種によっては羽化から越冬までの間にかなり変化する.種類によってはホストの情報がないと同定がかなり難しいものがいる.
その5 だいぶ種類を覚えてきたら.....夏の山頂採集や灯火採集,越冬個体採集をして種数を増やす.
これだけやれば,1年間でもかなりの種数を採集できるはず!