サンインヒメツヤ論文のこと(メモ)

ヒメドロの調査を本格的に始めた2005年にはすでにサンインヒメツヤを複数地点で採集していたが,マルヒメツヤだと思い込んでいた.
2006年に本土側の同じ小河川で源流と上〜中流で採ったマルヒメツヤの色と体形に差があることに気づいたが,明確に分けることができなかった.
2008年に隠岐でマルヒメツヤが見つかった(後でみたら2006年にすでに採集していたが...).見つけたF君が報告する時に,とりあえずZaitzeviaria sp.にしておけばとアドバイスした.この時点でも違うとは思ったが,決め手がなかった.
事態が急変したのは分子系統で明らかに2種が入っていることがわかったこと.本土側のサンプルはたまたま真のマルヒメツヤだったが,隠岐と本土の両方がサンインのサンプルだったら,2種いることに気がつかなかった可能性が高い.
2012年11月の甲虫学会の「ヒメドロ祭り」の後から本格的に内袋の検討を始めたが,反転は難しく作業は難航...少ないながら,別種であることは確認した.紀見峠にも行った.そして,交尾器先端にトゲがあることに気づく...もっと早く気づけば,こんなに遠回りはしていなかったかもしれない.
2013年9月に昆虫学会で発表.
2014年に論文化に着手.論文は1新種の記載ではなく総説にすることに変更し,吉富さんに協力を依頼する.
2015年に投稿.ぎりぎりで1号に間に合い,出版となる.