(ブユ)

Crosskey, R. W. (1990) The natural history of blackflies. Wiley, Chichester.
ブユの教科書を入手した.難しい単語は少ないのだが,意外と読みにくい.たぶん格調高いイギリス語で書かれているのだろう.
一番知りたかったのは,繭の作り方と蛹化の方法.開口部があるとは言え,繭の中に幼虫の抜け殻が無いのはなぜか疑問だった.なぜかって繭の中で脱皮したら,皮は後ろに行くので,繭の中に残るはずだから.もしかして逆に脱ぐとか考えたが,実際に観察して謎は解決した.終齢幼虫は,繭が出来上がると体をU字型に曲げ蛹化を始める.そのため腹部側の抜け殻は外に出る.そうだったのか〜.
この本を入手して,読んでみると,私が観察したことは,当然すでに書いてあった.でも自分の目で見たことは,とても良かったと思っている.ブユの繭にはいろいろな形があり,個々の繭の形状の作り方までは書いていなかった.私は2つのタイプしかみていないので,花かご状の繭や窓付きの繭をどうやって作るのは,また観察したいと思っている.
もう一つ羽化の方法に関する記述も詳しいので,こちらも読み込んでみたい.ブユの水中羽化はなかなか神秘的である.
面白かったのは,カニやカゲロウ幼虫に便乗するブユが海外にいるそうだ.