訃報

ハムシ科分類の大家である木元先生が逝去された。一度もお会いする機会に恵まれなかったことが残念でならない。また日本の甲虫界は、重要な人物を失ってしまった。ハムシ科分類の全体を見渡せる方がいなくなる一方で、国内に各グループの専門家や後継者が育っているのかといえば、そうでもない。とりわけヒゲナガハムシ亜科は厳しい状況にある。しかしながら、木元先生のコレクションは北九州の博物館に収められているし、図鑑を2冊も出されているので、研究を新たに始めること自体、それほど難しいこともないのは救いだ。やはり分類学者は標本と文献をきっちり残して、後世に引き継ぐのが使命である。