(ドロムシ)

日本産ドロムシ類幼虫の初期の研究としては、御勢による一連の報告がある。
御勢久右衛門(1955)日本産ドロムシ科幼虫の研究.新昆虫, 8(12): 9-15.
御勢久右衛門(1956)ドロムシ科幼虫2種.関西自然科学研究会会誌, (9): 26.
御勢久右衛門(1957)Eubrianax属幼虫3種について.関西自然科学研究会会誌, (10): 20-23.
津田の「水生昆虫学」のドロムシは、上記論文に基づいている。当時は成虫の分類も定まっていないこともあり、御勢がドロムシ科としたものには、現在のヒラタドロムシ科、ナガハナノミ科、ヒメドロムシ科が含まれていて、真のドロムシ科の幼虫は含まれていない。ヒラタドロムシ科、ナガハナノミ科の幼虫は図や記載から、種レベルでの対応が判明している(一部は不明)。しかし、ヒメドロムシ科については、胸部腹板の記載がないこともあり、研究の基になった標本を検討しない限り、多くの種は対応関係を確定するのは難しい。一方、現在、ヒメドロムシ科の幼虫については未だにまとまった報告はなく、改訂された水生昆虫検索図説の検索が最新のものである。